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シャムロックに乾杯!アイルランド09夏-3 [アイルランド2009]

ナショナリストの街角で祈りを捧ぐ


さて、ベルファストのキャブツアーを再開しましょう。
前回は、侵略した側であるロイヤリスト(プロテスタント)の壁画をご紹介しました。
今回は、侵略された側であるナショナリスト(カトリック)の街角をご紹介します。

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ARDOYNE地区に入ってきました。
激しい抗争があった地域です。


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一見、平和そうに見える街角ですが
暗い過去があったようです。


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ロイヤリスト側の壁画とは、かなり異なるタッチのものが描かれています。

 

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ここ、ARDOYNE地区の壁画はWEB上でも
ほとんど紹介されていないものです。

DSC03731.JPG
アイルランドの伝統スポーツである
ハーリング(スティックを持って競技するスポーツ)と、
ゲーリック(サッカー、ラグビーとバスケットボールを混ぜ合わせたようなスポーツ)の
壁画です。

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楽しげな壁画もありますね。

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ドライバーのPatが、一番好きな壁画だと言って案内してくれた壁画です。
なになに、1916年のイースター蜂起ですって


占拠した中央郵便局の様子です。
中央で、右手を挙げているのは、マイケル・コリンズです。
左側に立った二人の男に隠れ顔面を出しているのがアイルランド大統領を2期務めた
エイモン・デ・ヴァレラです。


なんとまあ、こんな壁画があったのですね。
ここで、「私は、マイケル・コリンズのDVDを持ってるよ」と言うと
ドライバーのPatが、いたく感激し手を握ってきました。

そして、この蜂起の後に
マイケル・コリンズが、IRB(IRISH REPUBLICAN BROTHERHOOD)から、IRA(IRISH REPUBLICAN ARMY)に変えたのだと教えてくれました。

いい映画なんですよ、マイケル・コリンズ

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この街角で、暗い過去があったなんて
とても思えぬほどの普通の街角です。


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ARDOYEN地区を後にして
ピースラインに到着しました。
いがみあう双方の住民を隔てる為に1970年代初頭に設けられたフェンスで、
ベルファスト市内だけでも20箇所あるそうです。

DSC03755.JPG
面白い落書きを見つけました。
真ん中に注目してください。
ジョージ・ブッシュの時代を恥じていますね。


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案内をしてくれた、ドライバーのPat
いやあ、行けないところまでもいけて本当に大感謝です。
言葉も選びながら、ゆっくりと話してくれたので
とても、分かりやすかったですよ。


DSC03765.JPG
Clonard Martyrs Memorial Garden
ナショナリスト側(カトリック)の慰霊碑です。
正面のピースラインの向こうから、毎日のように爆弾が飛んできて
、罪のない人たちの
命を奪っていきました。

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Clonard Monastery

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僧院で祈りを捧げ、キャブツアーは最後の目的地へと向かいます。

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シン・フェイン党本部
Falls地区にやってきました。

獄中でのハンガーストライキの最中に英国の国会議員にも選出されながら
命を絶ってしまったナショナリストの英雄ボビー・サンズが描かれたこの建物は
IRA暫定派の政党であるシン・フェイン党の本部でもあります。


DSC03794.JPG

DSC03798.JPG
スペインからの独立運動を行うバスク地方を応援する壁画
と右の壁画はキューバ支援の壁画。

DSC03805.JPG
思い切って、べルファストに行き
この壁画群を見る事が出来、本当に良かった。

こんな深い現実が横たわっているのですね世界には。


シャムロックに乾杯!アイルランド09夏-4に続く



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コメント 25

がぁこ

壁画がどれもリアルですごく色使いも綺麗ですね~♪
メッセージ色が強いのも日本の落書きみたいのとは違いますね^^
by がぁこ (2009-08-03 00:00) 

Morimo

すばらしい壁画ですね!人並みに悲しい歴史は知ってましたが、壁画は、まったく知りませんでした。
by Morimo (2009-08-03 08:34) 

chibiroh

おっしゃるとおり先日の場所とは絵のタッチが違うように思います。
本当に独特の雰囲気があって
かなり見入っておりました~^^
by chibiroh (2009-08-03 09:19) 

ぽて

実際目にしたら言葉失いますね。ぃや、コトバがワカラナイだけかも?!^^;
行くからには最低限、その国の歴史なりを知っておきたいと思うのです。
ブランド買い漁りツアーで完結してちゃぁ、ね・・・。
by ぽて (2009-08-03 10:35) 

Takashi

ロイヤリスト側とは、絵の傾向がガラリと変わりますね。
こういった壁画の存在を知らなかったので、ちょっと衝撃的でした。
by Takashi (2009-08-03 13:02) 

八犬伝

TO:がぁこさん
恨みつらみ、怨念
そんなものが詰まっている絵ですので
ちょいと日本の落書きとは、スケールが違いますね。

TO:Morimoさん
この存在を、日本では報道されていないですよね。
私も、色々と調べてみて
はじめて知ったくらいですので。

TO:chibirohさん
胸に来るものが、ありますよ。
とても素晴らしかったです。
by 八犬伝 (2009-08-03 22:55) 

八犬伝

TO:ぽてさん
物凄かったです。
ブランド買いあさりツアーを否定は、しないですけど
やはり、歴史的な背景なども知っていた方が
より楽しめますね。

TO:Takashiさん
日本に北アイルランド紛争そのものが知らされていないですからね。
IRA=過激
くらいしか、一般的にはわからないですよね。
でも、本当は
これって、イギリスによる侵略が奥底に潜んでいるのですよね。
by 八犬伝 (2009-08-03 22:58) 

しろうさぎ

向うですてきなドライバーのPatさんと出会われ良かったですね。
日本人を外国の人が良く知らないと私たちは嘆きますが
日本人も外国のことを全然知らないままですね。
遠くまで行かれて貴重なお写真見せてくださって
ありがとうございます。

by しろうさぎ (2009-08-04 02:00) 

sig

こんにちは。
アイルランドの紛争について詳しくはしりませんが、
前回と今回では明らかにテーマとタッチが・・・つまり主張が違うことが伝わってきますね。どちらが正しいということではなしに。
それにしても貴重な写真だと思います。
すごい体験ですね。
by sig (2009-08-04 10:28) 

マリンかもめ

こんなに壁画が多いなんて、アイルランドの街並みって凄いですね。
by マリンかもめ (2009-08-04 11:25) 

MORIHANA

アイルランドしかり、スペインしかり。
民族の誇りと意地をかけた戦いは、日本人には
想像もできないくらいに根が深いのでしょうね。
こういうレポ旅記事を拝見すると、つくづく、
日本は良くも悪くも平和だなぁ…と感じます。
by MORIHANA (2009-08-04 14:14) 

OMOOMO

こんな世界があること、初めて知りました。壁画にしなくては
ならない心情がひしひしと伝わってきます。

by OMOOMO (2009-08-04 18:53) 

Takaaki_Naoko

うーん見れば見るほど、奥が深い、、。
綺麗だねー凄いねーで終わらない所が、八犬伝さん凄い!
日本の落書きが、これから陳腐に見えてくるなー(笑)
(^◇^)

by Takaaki_Naoko (2009-08-04 22:41) 

CC

IRAはカトリック軍ですか。よくわかっていませんでした。勉強になりました!
私が頭に浮かんだのは、J・ヒギンズの小説に出てくる元IRAテロリストでした。小説ではなくて、現実にあった紛争を思うと綺麗な壁画をみてもやっぱり怖いです。。。
by CC (2009-08-04 22:41) 

ばん

日本でいえばどの都道府県が当てはまるのか考えてしまいました。
by ばん (2009-08-04 23:09) 

八犬伝

TO:しろうさぎさん
はい、とてもいい人でしたよPat。
わかりやすい英語だったのが、嬉しかったです。

TO:sigさん
思い切って行って良かったです。
そして、物凄い光景を目に焼き付けてきました。

TO:マリンかもめさん
まあ、壁画は
ここベルファストとデリーぐらいですが
どこの街も、みなカラフルですよ。
by 八犬伝 (2009-08-04 23:37) 

八犬伝

TO:MORIHANAさん
日本は平和ぼけしすぎてますね。
緊迫感のかけらも、ないですね。

TO:OMOOMOさん
北アイルランド紛争のこと
日本には、ちゃんと伝わってきませんでしたね。
物凄く深い根があるようですよ。

TO:Takaaki_Naokoさん
あっ、いやあ
私は、なんにも(^^ゞ
物凄いメッセージでしたよ。
by 八犬伝 (2009-08-04 23:41) 

八犬伝

TO:CCさん
そうですそうです
ショーン・ディロンにリーアム・デブリン
ジャック・ヒギンズの小説大好きです。
ヨーロッパホテルが、必ず出てきますので
泊まってきましたよ。

TO:ばんさん
そうですね
第2次世界大戦の敗戦で、日本が分割されたら
こうなってたかもしれませんね。
by 八犬伝 (2009-08-04 23:45) 

Ranger

わぁ~いいですねぇ^^
街中が美術館って感じです
by Ranger (2009-08-05 13:05) 

りりー

はじめまして^^
訪問、nice頂き有難うございましたm(__)m

by りりー (2009-08-05 18:45) 

八犬伝

TO:Rangerさん
そうですね
美術館に歴史博物館って言ったところいでした。

TO:りりーさん
こちらこそ
お運び、ありがとうございます。
by 八犬伝 (2009-08-05 22:13) 

GRACE

壁画・・・興味深いですね☆
こちらこそ、ここで見ることができて良かったです^^
by GRACE (2009-08-06 05:25) 

八犬伝

TO:GRACEさん
なかなか
考えさえられましたよ。
無理してでも、行って良かったと思います。
by 八犬伝 (2009-08-06 23:06) 

Tabasa

ベルファスト市内にあるフェンスの写真を見て、ベルリンの壁やイスラエル・パレスチナ間のフェンスを思い出しました。
戦後の日本にもひょっとしたらベルリンの壁のようなものができていたかもしれない・・・けれどそれは民族紛争ではありませんね。

ベルリンの壁にはキース・へリングだのなんだのがいろいろ画を描いていて、その上から落書きがあって・・・と今は昔の雰囲気になってしまっていますが(崩壊から今年で20年ですし)、アイルランドの壁画はまだ火種がくすぶっていることを教えてくれているようにさえ思えます。
by Tabasa (2009-08-08 23:04) 

八犬伝

TO:Tabasaさん
仰るとおりですね
まだ、火種がくすぶってるようですね。
by 八犬伝 (2009-08-10 11:52) 

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